毎日新聞が2〜4日実施した電話世論調査に基づく中盤情勢調査によると、自民党は改選50議席維持が厳しい情勢となっている。一方、民主党は50議席を超す勢いだ。公示前の各党の予想に反した「小泉・自民」の苦戦ぶりである。
もちろん、まだ投票行動を決めていない人は多く、今後、情勢が変化することを前提にしなければならないが、仮に自民党が他党の議席数を下回れば、参院選では89年以外に例のない「激変」となる。既に、自民党が勝敗ラインとしてきた51議席を下回った場合の小泉純一郎首相の責任問題について、同党幹部が「参院選で負けた総理は死に体だ」と述べるなど選挙後をにらんだ発言も党内で出始めている。
投票日まであと5日。有権者の1票は、一段と重みを増してきたと言うべきだろう。
今回の調査で見る限り、有権者の厳しい目は小泉政治そのものに向いているとみてよさそうだ。
先の国会で成立した年金改革関連法を「評価しない」と答えた人は、前回6月調査と同じ70%。自衛隊の多国籍軍参加は、「反対」が前回比1ポイント増の55%だった。
年金問題では大事なデータを後出しした。未納未加入が国民のひんしゅくを買ったのに、自民党だけが所属議員の納付状況公表を拒否し、けじめをつけなかった。多国籍軍参加問題でも国会での論議の粗さ、説明不足が目立った。
ところが首相は公示後、年金問題に関し「ここで私が説明しようとしても、1時間かかったって、みなさん、もう飽きちゃいますよ」などと街頭演説で語っている。イラク問題も基本的には「戦争するための多国籍軍じゃない」の繰り返しだ。こうした説明では不信は解消されにくく、逆に岡田克也民主党代表の「きまじめさ」を引き立たせる形にもなっている。
今回調査で、自民党の支持率が32%で前回と比べ横ばいだったのに対し、小泉内閣の支持率が6ポイント減って40%に下落したのは、首相のこうした対応にも不満が高まっているとみることができる。残された期間、首相や自民党は奇策に頼ることなく、正々堂々と丁寧に説明してもらいたい。
調査が示すもう一つのポイントは、有権者の間に自民、民主の2大政党化を志向する流れが続いているということである。
民主党の支持率は前回より1ポイント増の17%で、自民党とはなお差があるが、調査によれば自民党の金城湯池とされてきた1人区でも勢いがある。与党の公明党が安定した戦いを進める一方、共産、社民両党は独自色を強めている。その中で、民主党は小泉内閣への批判をまとめやすい立場にある。
民主の勢いが、このまま続くのか。自民が巻き返すのか。公明、共産、社民が存在感を示すのか。参院選は2大政党化が定着するかどうかの分岐点ともなる。その意味でも重い1票となるはずだ。
毎日新聞 2004年7月6日 0時11分