現在位置asahi.com > マイタウン > 佐賀

2005年3月22日 更新


震度6弱 県内襲う/観測史上で最大


地震で崩れ落ちた空き瓶を片づける社員ら=みやき町東尾の天吹酒造で

  福岡県沖の玄界灘で20日に起きた地震で、県内でもみやき町で震度6弱を記録するなど、佐賀地方気象台が1923年に震度観測を始めて以来、最大の揺れを各地で記録した。軽傷者10人と被害は比較的小さかったが、その後も余震が続き、住民は不安な夜を過ごした。昨年来、新潟や北海道などで大きな地震が相次ぐ中、地震とは縁遠かった県内も「震災列島」の例外ではないことを突きつけられた。

  居間が「カタカタ」と音を立て始めた。

  午前10時53分、みやき町中津隈。自宅で寝転がってくつろいでいた町職員の男性(53)は、突然の揺れにびっくりして跳び起きた。

  数秒後、「バリバリ」と音が変わり、最後は激しく横に揺れた。必死に両足を踏ん張った。「地面が下がったような感覚だった」

  同町東尾の「天吹酒造」。倉庫そばの空き地に約3・5メートルまで積み上げられた空き瓶ケースが、崩れ落ちた。3500本近くの一升瓶が割れ、破片が飛び散った。

  木下武文社長(63)は「まさか佐賀にこんなに強い揺れが来るとは。がっくりきます」と割れた瓶を見つめながら肩を落とした。

  町役場には、地震から30分で、20人近い職員が自主的に集まった。地元の消防団などの協力を受け、計48人で町内を回ったが、けが人はなかった。「これだけ揺れたのに大きな被害はなくてよかった」。職員らはほっとした表情を見せた。

  県内のほかの地域にも大きな揺れが襲い、生活や観光に影響が出た。

  佐賀市大財5丁目の酒屋「あんくるふじや佐賀東部店」では、陳列棚からワイン約10本と洋酒数本が床に落ちて割れた。棚の仕切りは高さ1〜2センチ程度で、ストッパー役を果たさなかった。大串清隆店長は「これほど強い揺れは初めて。今日は片づけに追われそうだ」。新聞紙で床に広がった酒を吸い取る作業を続けた。

  震源地の玄界灘に近い唐津市沖約1・5キロにある防波堤には、福岡方面からの釣り客ら約40人がいた。福岡市南区警弥郷の大工鈴木薫さん(55)は「最初はめまいかなと思ったら、波消しブロックがガタガタと音を立て、まるで踊っているようだった」と当時の様子を語った。

地震の揺れで割れた唐津市役所の窓ガラス=唐津市で

  唐津市役所では窓ガラスが50枚以上割れた。日曜出勤していた市民課の川崎真実さん(31)は「縦に揺れたと思ったら、バリバリと音を立てて割れた。『机の下に隠れろ』という男性職員の声で、慌てて身を隠しました」と振り返った。

  3連休の中日だったことから武雄市や嬉野町の旅館はどこもほぼ満室だった。だが、各旅館とも数件ずつキャンセルや予定変更が出ている。ある旅館関係者は「収まればいいが、長引くと観光に影響が出る」と心配そうに話した。

  武雄市や川副町や白石町などでは水道管の破裂が相次ぎ、このうち武雄市と白石町の一部の世帯で断水が続いた。

  県などによると20日午後6時現在、10人が軽傷を負った。

  唐津市浜玉町では、68歳の女性が自宅1階の台所にある窓から慌てて外に飛び降りて、足をねんざした。同市呼子町小川島では、地震の揺れで走行中のバイクがぐらつき、歩いていた50代の女性にぶつかり、けがを負わせた。鳥栖市の佐賀競馬場では、食堂の女性従業員(66)が天ぷら鍋の火を消そうとした際、油で手をやけどした。

  また、武雄市で住宅が半壊するなど37棟に被害が出た。がけ崩れは七山村で9カ所起きるなど県内14カ所で発生した。

  佐賀地方気象台によると、県内の震度はみやき町が同町庁舎で震度6弱だったほか、七山村で震度5強、唐津市、嬉野町など広範囲に震度5弱を記録、県内過去最大だった震度4を各地で上回った。佐賀市や武雄市などは震度4だった。

  発生直後に頻発した余震は夕方までに少なくなってきているが、断続的に続いている。1週間以上は続くとみられ、震度5強から5弱の余震もあり得ることから、同気象台では引き続き警戒するよう呼びかけている。

■県内の震度(気象庁発表)■

震度6弱 みやき町

震度5強 七山村、上峰町

震度5弱 鳥栖市、多久市、諸富町、川副町、東与賀町、久保田 町、大和町、神埼町、千代田町、三田川町、三瀬村、北方町、江北町、白石町、嬉野町、小城市

震度4  玄海町、有田町、西有田町、佐賀市、武雄市、東脊振村、脊振村、基山町、山内町、大町町、太良町、塩田町

 ※観測ポイントが複数ある自治体は最も震度が大きいところに分類。

(3/21)